【2021.3】『「らい予防法」廃止から25年 アンケート報告書』刊行
ふれあい福祉協会は『「らい予防法」廃止から25年 アンケート報告書』を刊行しました。
「らい予防法」廃止(1996年)から25年を迎えるにあたり、ハンセン病回復者の意識や暮らし方の変化を明らかにする目的で、全国ハンセン病療養所入所者協議会や各自治体、退所者の会、各園ソーシャルワーカーらのご協力を得て、アンケートを実施したものです。調査対象は、国立療養所13園と私立療養所神山復生病院の入所者(退所経験がない)と再入所者、退所者、入所経験のない方です。
「らい予防法廃止後、重要だったと思う出来事」は、入所者、再入所者、退所者とも最多だったのは「らい予防法違憲国家賠償訴訟の熊本地裁原告勝訴判決」(2001年)でした。
2番目に多かったのは、入所者と再入所者は「入居者等の被った精神的苦痛を慰謝するための補償金支給」(2001年)、退所者は「国立ハンセン病療養所等退所者給与金制度創設」(2002年)でした。
「社会からの偏見差別」は、退所者は「とても和らいだ」と「少し和らいだ」が計69.3%。入所者も計65.1%と半数を超えましたが、再入所者は38.9%にとどまりました。
家族・親族関係について、退所者は「たくさん変化があった」と「やや変化があった」が計61.6%、「ほとんど変化はない」と「まったく変化はない」の計34.6%の2倍近い数字ですが、入所者では「ほとんど変化はない」と「まったく変化はない」が計47.6%、再入所者では53.7%と高い割合を占めたほか、「どちらともいえない」が入所者17.5%、再入所者16.7%と、アンビバレントな結果が出ました。
「国への要望」は、入所者と再入所者は「療養所の医師・看護師・介護職員の確保」、退所者は「ハンセン病後遺症に配慮した医療・介護体制の整備」でした。